<プロフィール>
京都生まれ。1986年、国際基督教大学教養学部卒業。幼少よりピアノや
ヴァイオリンなど西洋楽器に親しむが長じて後、次第に日本の音楽に
心惹かれ、能管を松田弘之(能楽・森田流)に師事。能管一管での
古典曲演奏に加え、チェロ・笙・琵琶など和洋の楽器や、胡弓・馬頭琴・
ジャンベなど世界の民族楽器、また朗読や舞とのセッションも行っている。
富士山五合目の小富士、屋久島縄文杉、下鴨神社糺の森ほか野外での
演奏、また全国の神社寺院での奉納演奏も数多い。笛が結ぶ縁に従って、
北海道から沖縄まで国内はもとより、アジア・ヨーロッパ諸国へも行脚する。
笛の音は身体を吹き抜ける風の行く道とも感じ、風迢舎(ふうちょうしゃ)を主宰。1998年より京都の大徳寺大慈院で「風響の会」を催し、毎年異なったジャンルからゲストを迎え、新しい試みを行っている。2007年、風響の会10周年記念として能管リサイタルを行う。
2002年から筑前琵琶の川村旭芳と組み、「伽羅」というユニット名での活動も行っている。名香"伽羅"の香りを聞く如くに、ユニット「伽羅」の響きを聴いていただくようにと名付けられた。二人で神社・仏閣・キリスト教会から銭湯まで、人の集まる様々な場に演奏に伺っている。
【 能管 】
長さ40センチ程の横笛で、竹で出来ています。民家の屋根裏で、囲炉裏の煤に長い間燻された煤竹がもっとも適した材料と言われています。
その竹を細工して、笛の内側の部分に漆を塗っては乾かし、磨いでは塗ってと繰り返して、硬く作っていきます。
笛の外側にも漆を塗り、桜の木の樹皮である樺を糸状にして、吹き口や指穴以外の部分を巻きます。
吹き口と一つ目の指穴の間、10センチくらいの部分はノド(喉)と呼ばれ、管の内部にもう一本の薄く削った竹の管が組み入れられて二重構造になっています。
二層の管の間は膠と漆で隙間なく細工してあるので、仕上がった状態からは分かりません。
能管をレントゲン写真で観察すると、喉の部分の内径が、腰のくびれた砂時計のように若干狭まっているのが分かります。
敢えて息が通り難いように手を加えた構造である、とも言えます。
この特殊な構造のため、同じ指遣いの呂(りょ・低い音列)と干(かん・高い音列)の音が1オクターブになりません。
全体として、旋律楽器とは言い難い、音律の枠を超越したような楽器で、引き締まった音色を個性としています。
能管はその名が示すように、もともとは能楽あるいは狂言で用いる笛です。
能の舞台では小鼓・大鼓・太鼓とともに謡をあしらい、舞を奏で、登場人物の心象を彩ります。
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